読書 批判的読みの授業づくり
アクティブ・ラーニングについて研究するべく、まずはクリティカル・リーディングについてのこちらの本を読んでみました。
論理的思考力を育てる! 批判的読み(クリティカル・リーディング)の授業づくり ―説明的文章の指導が変わる理論と方法― (国語教育選書)
- 作者: 吉川芳則
- 出版社/メーカー: 明治図書出版
- 発売日: 2017/08/29
- メディア: 単行本
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国語の先生が読むものかなとも思われますが、一般の読者にもわかりやすく説明された一冊。
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批判的読みの手法とは?
前提として、まず文章そのものを理解できている(確認読み)
次に、筆者の発想を推論する(なぜ筆者は~なのだろう?)
上記を踏まえて、自分の考え・論理を形成する(わたしは~、理由は~)
説明文に対し、事例や説明で筆者の言いたいことは何かを理解し、文章の構造・事例や説明・言葉が、筆者が伝えたいことを読者に理解させるのに適切かどうかを評価する
そのうえで、自分の考えを展開していくことがクリティカル・リーディングである
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筆者の発想を推論する上で必要な観点と、それを促す発問例も数多く紹介されており、最後の章には小1から中3までの各学年の国語教科書の説明文単元を例にとり、具体的な授業デザインも紹介されていますので、大変参考になりました。
最近、批判的読み(クリティカル・リーディング)、クリティカル・シンキング、論理的思考力、などの言葉が一人歩きしているような気がしていました。
「論理的思考力の必要性」「これからはクリティカル・リーディングが重要」と、雑誌などを読んでいても目につく表現ではありますが、さてそのクリティカル・リーディングって具体的にどういうもの?となると、アクティブ・ラーニングとごっちゃになって、浅い説明しか書かれていない、なんてことも多い中、この本はそのもやもやした疑問をすべてクリアにしてくれました。
クリティカル・リーディング、わかっているようでわかっていないかも、という方にはオススメの一冊です。